【獣医師が解説】 犬猫のアレルギー対策 今日からできる環境ケア
空気中の花粉やハウスダストによるアレルギーへの対策を皮膚科の獣医師が詳しく解説。 このコラムの執筆者獣医師 今枝 奈緒美日本獣医生命科学大学卒。日本獣医皮膚科学会所属。勤務医として臨床に携わる傍ら、名古屋市と東京都の2つの動物病院にて皮膚科外来を担当。主に犬猫のアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の診療を得意とする。ペットの皮膚トラブルに悩む飼い主様向けに、セミナー登壇・セミナー主催・皮膚科相談・関連商品の販売などを行う。 🔖 目次 はじめに:犬猫にも増えているアレルギー症状 アレルギー反応の仕組みと症状 アレルギーを悪化させる要因 季節ごとの花粉の影響 おうちでできる環境対策 ペットへの直接ケア まとめ 1. はじめに:犬猫にも増えているアレルギー症状 「アレルギー」と聞くと、どのような原因を思い浮かべますか?人間の場合、食べ物によるアレルギーや金属によるアレルギーがよく知られています。また、悩まされている方の多い花粉症もアレルギーの1つです。 アレルギーを取り巻く状況は、日々変化しています。たとえば、人間の食物アレルギーでは、ここ数年の調査でクルミなどの木の実によるアレルギーが急増していると報告されています。 犬や猫のアレルギーも同様に、昔と今では大きな変化が起きています。昔は柴犬やフレンチブルドッグなどが「アトピーが多い犬種」として知られていましたが、最近は犬種を問わず、また、猫でもアレルギー症状が増えてきている様子が診療の現場からうかがえます。 このような背景にはさまざまな理由があると言われており、特に、空気中に漂う花粉やハウスダストの変化が注目されています。ここでは、花粉やハウスダストによるアレルギーから愛犬・愛猫を守るための環境ケアを皮膚科の獣医師が詳しく解説していきます。 2. アレルギー反応の仕組みと症状 花粉やハウスダストは通常、動物の体の中にはありません。このような「異物」が体に入ってきたとき、体が過剰に反応してしまう状態がアレルギーです。 アレルギー反応によって動物の体から、自分自身にかゆみを引き起こす物質(ヒスタミン)や炎症を起こす物質(サイトカイン)が大量に放出され、結果として、「皮膚や耳・目・手足のかゆみや赤み」などの症状が起きてしまいます。 特に、かゆみの症状は、ただ単に「足で体を掻く」だけでなく、さまざまなパターンの行動を引き起こします。たとえば、愛犬・愛猫がこんな行動はしていませんか? 皮膚を噛む 足先をしつこく舐める 顔を床にこすりつける 耳がかゆくて首を振る こうした行動はかゆみのサインの場合がありますので、愛犬・愛猫に繰り返し見られる場合は、早めに動物病院に相談しましょう。 3. アレルギーを悪化させる要因 花粉やハウスダストなどの「異物」が体にかゆみや赤みを引き起こしますが、このアレルギー症状を悪化させる要因がいくつかあります。 また、要因が重なることで症状がさらに悪化してしまいます。その要因としては、次のようなものが代表的です。...